2023年12月17日



「ザカリヤの讃歌」(要約)


新約聖書:ルカの福音書1章5節〜23節、67節〜80節



1 祭司ザカリヤに現れた天使


ザカリヤとエリサベツには子がなく、二人とも年をとっていました。エリサベツは不妊でした。二人とも「神の御前に正しく、主のすべての戒めと定めを落ち度なく踏み行って」いました。ザカリヤはアビヤ組の祭司として、6ヶ月ごとに1週間、神殿で当番に当たることになっていました。ザカリヤが神殿の聖所で香を焚いていた時に天使ガブリエルが現れ、生まれてくる子供のことについて預言します。天使はザカリヤに、その子が、エリアの霊と力で、主に先立って歩み、父たちの心を子供たちに向けさせ、不従順な者たちを義人の思いに立ち返らせ、主のために整えられた民を用意する人になることを告げました。しかしザカリヤは天使の言葉を信じられません。それでしばらくの間話せなくなります。



2 ザカリヤの預言


月が満ちて、妻のエリサベツは男の子を生みます。男の子の名を決める時、近所の人たちや親族は父親の名にちなんでザカリヤと名付けようとしますが、口のきけないザカリヤは、板に「その子の名はヨハネ」と書いて人々に伝えます。すると直ちにザカリヤの口が開かれ話せるようになります。この時ザカリヤが聖霊に満たされ預言した歌が今日の箇所です。68〜70節。

自分たちイスラエルの民を顧みて罪を贖ってくださったイスラエルの神、主への賛美です。贖いとは罪から救われその支配から解放されたということです。72節、73節。

このことは、自分たちの先祖たちに与えられた聖なる契約、アブラハムへの誓いのとおりであることを述べています。71、74、75節。

この救いは敵からの救いということです。「敵」とは罪と悪魔です。救いとは、罪と悪魔の支配からの解放です。74、75節。

その結果、私たちは、生涯きよく正しく恐れなく神に仕えることができるのです。イエス様は言われました。「罪を行っている者はみな、罪の奴隷です。」(ヨハネ8: 34) イエス様は、罪の奴隷である私たちを救い出すためにこの世に来てくださいました。ゼパニヤ書3章15節には、「主は、あなたへの宣告を取り除き、あなたの敵を追い払われた。イスラエルの王、主は、あなたのただ中におられる。あなたはもう、わざわいを恐れない。」と書かれています。76、77節。

幼子ヨハネについての預言です。「いと高き方の預言者」、主の御前に先立って行き、その道を備え、罪の赦しによる救いについて神の民に知識を与える者と預言します。大人になり宣教を始めたときヨハネは、自分は、預言者イザヤが言う「主の道をまっすぐにせよ」と荒野で叫んでいる者の声(ヨハネ1: 23)だと宣言し、民衆に自分の罪を悔い改めるように説き、イエス様こそキリストであると民衆に向かって叫びました。78節、79節。イエス様についての預言です。自分たちは暗闇と死の陰のような時代にいるが、神様のあわれみで夜明けを向かえる。神様は平和の道に導いてくださるというのです。マラキ書4章2節には「しかし、わたしの名を恐れるあなたがたには、義の太陽が昇り、その翼には癒しがある。あなたがたは外に出て、牛舎の子牛のようにはね回る。」義の太陽とはイエス様のことです。イエス様は言われました。「わたしは、世の光です。わたしに従う者は、決してやみの中を歩むことがなく、いのちの光を持つのです」(ヨハネ8:12)

79節の「平和」は、キリストにある平和のことです。エペソ人への手紙2章 14節には、「キリストこそ、私たちの平和であり、二つのものを一つにし、隔ての壁を打ちこわし、ご自分の肉において、敵意を廃棄された方です。」と書かれています。



3 勧め


ザカリヤの信仰は変えられました。救い主はまだお生まれにならず、預言者ヨハネも幼子です。ローマ帝国による支配もヘロデ大王が国主であることも変わりません。けれどもザカリヤは、主によって語られたことは必ず実現すると信じているのです。マリヤの讃歌との共通点です。「主によって語られたこと」とは何でしょう。イエス・キリストによる救いです。イエス様は、私たち人間を罪から救うために来てくださいました。

皆さんの中に自分の今の生活を暗闇のように感じている人がいるでしょうか。仕事のことで悩んだり、病気のため疲れきっている方はいらっしゃいますか。自分の罪深さ、愚かさ、弱さ、情けなさを悲しんでいませんか。

「主によって語られたことは必ず実現する。」主イエス様が、私たちと共におられることを信じましょう。主イエス様があなたのところに来られることを信じましょう。イエス様はあなたの祈りに答えて下さいます。



説教:加藤 正伸 長老