2023年6月4日
「信じる者は、死んでも生きる」
新約聖書:ヨハネの福音書 11章1〜29節
聖句「わたしは、よみがえりです。いのちです。わたしを信じる者は、死んでも生きるのです。また、生きていてわたしを信じる者は、決して死ぬことがありません。」ヨハネの福音書 11章 25節
概要
ベタニヤと言う村に住んでいるマルタとマリアの姉妹からヨルダン川の向こうにいたイエス様に、兄弟ラザロが病気なのですぐに来てほしいと言う連絡がありました。イエス様はラザロたちを愛しておられましたが、しかし二日間そこに留まります。イエス様はベタニヤにむかいます。イエス様は神の栄光を表すため、ベタニヤに行くのを遅らせたのでした。
マルタは、イエス様が来られることを知って迎えに行きます。マルタはイエス様が神の子であることを信じていました。しかしイエス様にお会いしたときマルタは言います。「主よ。もしここにいてくださったなら、私の兄弟は死ななかったでしょうに。今でも私は知っております。あなたが神にお求めになる事は何でも、神はあなたにお与えになります。」するとイエス様は彼女に言われました。「あなたの兄弟はよみがえります」これを聞いてマルタはイエス様に言います。「私は、終わりの日のよみがえりの時に、彼がよみがえることを知っております。」マルタはラザロが、今よみがえるとは考えていませんでした。当時のユダヤ人の一般的な考え方と同じで、復活を遠い将来のこととして受け止めていました。
しかし、イエス様はそうではありませんでした。マルタに優しく諭すように言われます。「わたしはよみがえりです。いのちです。わたしを信じる者は、死んでも生きるのです」「また、生きていてわたしを信じる者は、決して死ぬことがありません。このことを信じますか。」それでマルタは答えます。
「私はあなたが世に来られるキリストであると信じています。」マルタは、私たちの心を見られるイエス様の前ではっきりした信仰告白をしたのでした。
(勧め)
マルタが、このようなはっきりした信仰告白に至った理由について考えてみましょう。イエス様とお会いするまでの四日間は、マルタにとって深い悲しみの日々だったに違いありません。イエス様とお会いした時にも、なぜ来てくれなかったのかと愚痴めいたことを言います。またイエス様がマルタにラザロのよみがえりを伝えた時も、単なる慰めの言葉にしか聞こえなかったかもしれません。しかし、イエス様は、マルタの心を、弟の死と言う現実の悲しみからイエス様ご自身に向くようにされました。今日の聖句は、その時のイエス様のみことばです。
私たちも、祈っても答えられないという悲しみの日々を送ることがあります。しかし大切なのは、真心からイエス様を信頼することです。ラザロをよみがえらせることがイエス様のご計画だったように、神様の御心であれば必ずかなえられます。イエス様は、マルタと話をされたように、あなたとも語られます。そして私たちをイエス様ご自身を信じるように導いてくださいます。
この後、マルタは妹のマリアに声をかけ、イエス様のもとに行くように言います。マルタは悲しみにある妹マリアも、イエス様にお会いすることが何より必要なことと考えたからだと思います。
私たちが祈り求めるとき、まず必要な事はイエス様にすべてを信頼する信仰ではないでしょうか。
<ヨハネの福音書 11章1〜29節>
1さて、ある人が病気にかかっていた。ラザロといって、マリヤとその姉妹マルタとの村の出で、ベタニヤの人であった。
2このマリヤは、主に香油を塗り、髪の毛でその足をぬぐったマリヤであって、彼女の兄弟ラザロが病んでいたのである。
3そこで姉妹たちは、イエスのところに使いを送って、言った。「主よ。ご覧ください。あなたが愛しておられる者が病気です。」
4イエスはこれを聞いて、言われた。「この病気は死で終わるだけのものではなく、神の栄光のためのものです。神の子がそれによって栄光を受けるためです。」
5イエスはマルタとその姉妹とラザロとを愛しておられた。
6そのようなわけで、イエスは、ラザロが病んでいることを聞かれたときも、そのおられた所になお二日とどまられた。
7その後、イエスは、「もう一度ユダヤに行こう」と弟子たちに言われた。
8弟子たちはイエスに言った。「先生。たった今ユダヤ人たちが、あなたを石打ちにしようとしていたのに、またそこにおいでになるのですか。」
9イエスは答えられた。「昼間は十二時間あるでしょう。だれでも、昼間歩けば、つまずくことはありません。この世の光を見ているからです。
10しかし、夜歩けばつまずきます。光がその人のうちにないからです。」
11イエスは、このように話され、それから、弟子たちに言われた。「わたしたちの友ラザロは眠っています。しかし、わたしは彼を眠りからさましに行くのです。」
12そこで弟子たちはイエスに言った。「主よ。眠っているのなら、彼は助かるでしょう。」
13しかし、イエスは、ラザロの死のことを言われたのである。だが、彼らは眠った状態のことを言われたものと思った。
14そこで、イエスはそのとき、はっきりと彼らに言われた。「ラザロは死んだのです。
15わたしは、あなたがたのため、すなわちあなたがたが信じるためには、わたしがその場に居合わせなかったことを喜んでいます。さあ、彼のところへ行きましょう。」
16そこで、デドモと呼ばれるトマスが、弟子の仲間に言った。「私たちも行って、主といっしょに死のうではないか。」
17それで、イエスがおいでになってみると、ラザロは墓の中に入れられて四日もたっていた。
18ベタニヤはエルサレムに近く、三キロメートルほど離れた所にあった。
19大ぜいのユダヤ人がマルタとマリヤのところに来ていた。その兄弟のことについて慰めるためであった。
20マルタは、イエスが来られたと聞いて迎えに行った。マリヤは家ですわっていた。
21マルタはイエスに向かって言った。「主よ。もしここにいてくださったなら、私の兄弟は死ななかったでしょうに。
22今でも私は知っております。あなたが神にお求めになることは何でも、神はあなたにお与えになります。」
23イエスは彼女に言われた。「あなたの兄弟はよみがえります。」
24マルタはイエスに言った。「私は、終わりの日のよみがえりの時に、彼がよみがえることを知っております。」
25イエスは言われた。「わたしは、よみがえりです。いのちです。わたしを信じる者は、死んでも生きるのです。
26また、生きていてわたしを信じる者は、決して死ぬことがありません。このことを信じますか。」
27彼女はイエスに言った。「はい。主よ。私は、あなたが世に来られる神の子キリストである、と信じております。」
28こう言ってから、帰って行って、姉妹マリヤを呼び、「先生が見えています。あなたを呼んでおられます」とそっと言った。
29マリヤはそれを聞くと、すぐ立ち上がって、イエスのところに行った。
説教者:加藤 正伸 長老