2022年8月14日



「新しい天と新しい地」


ヨハネの黙示録21章1〜4節



1 「自分は、どこに行きたいか」


先日NHKの朝の連続テレビドラマを見ていたら、このような場面がありました。レストランのオーナーが主人公に、「あなたの結婚披露宴では、あなたが持ちたいお店について、夢を語りなさい」と話しかける場面です。その時オーナーが主人公に、披露宴に来た方に、「自分がどこから来て、どこに行きたいか」を伝えることが大切と言うのですね。私は、これを見て、人生も同じように思いました。

キリストを信じる者にとっては天国こそ目的地です。では、聖書に書かれている天国とは、どのようなところでしょうか。



2 聖書が記す天国


ヨハネの黙示録21章1節から4節を見て下さい。この21章から22章前半は、聖書全体の中で、最も美しく最も慰めに満ちた箇所の1つだと言われています。

1節「また私は、新しい天と新しい地とを見た。以前の天と、以前の地は過ぎ去り、もはや海もない。」この地球や宇宙は滅びる、そして神様によって新しい天と地が創造されるということが、ここに書かれています。

2節「私はまた、聖なる都、新しいエルサレムが、夫のために飾られた花嫁のように整えられて、神のみもとを出て、天から降ってくるのを見た。」「聖なる都、新しいエルサレム」とは、教会のことです。ここで言う教会は、目に見える教会ではなく、「公同の教会」です。

それは、神が喜びとする新しいエルサレムです。

3節「そのとき私は、御座から出る大きな声がこう言うのを聞いた。「見よ。神の幕屋が人とともにある。神は彼らとともに住み、彼らはその民となる。また、神ご自身が彼らとともにおられて、彼らの目の涙をすっかりぬぐい取ってくださる。」「神の幕屋」とは、神様の住まいのことです。神の民は、神の住まいに住み、この世での悲しい経験を神様から慰めていただくのです。

4節「もはや死も、悲しみ、叫び、苦しみもない。なぜなら、以前のものが、もはや過ぎ去ったからである。」

同じような箇所が、イザヤ書65章 17・18節にあります。「見よ。まことにわたしは新しい天と新しい地を創造する。先の事は思い出されず、心に上ることもない。だから、わたしの創造するものを、いついつまでも楽しみ喜べ。見よ。わたしはエルサレムを創造して喜びとし、その民を楽しみとする。わたしはエルサレムを喜び、わたしの民を楽しむ。そこにはもう、泣き声も叫び声も聞かれない。」

ヨハネの黙示録22章1節から5節も、大変印象的な箇所です。「神と小羊との御座が都の中にあって、そのしもべたちは神に仕え、神の御顔を仰ぎ見る。また、彼らの額には神の名がついている。もはや夜がない。神である主が彼らを照らされるので、彼らにはともしびの光も太陽の光もいらない。彼らは永遠に王である。」



3 試練と信仰


私たちは、この世で様々な経験をします。ときには誘惑や罪と戦います。悪意を持って近づいて来る者もいます。それは世との闘いです。時には罪を犯すこともある。惰性になることもある。それが人生です。しかしそのような中で、隣人を愛し、笑顔で人を受け入れ、慰めのことばをかける人は、何と言う幸いでしょう。

また私たちは、高齢になることや病気になることを恐れます。それまで元気な方がある日突然入院し、体が不自由になり、話すことができなくなる。治らないことが分かった時には、生きる望みを失い、生きることを諦める方が多くいます。しかし、他人から気の毒に見える状況であっても、最後まで天国に望みを持ち続けることができる人は何と幸いでしょう。



4天国への望み


イエス・キリストを信じる信仰は、天国に望みを持ち続けることができる信仰です。試練の時でも天国に入る望みを持つことのできる信仰です。1ペテロ1章7節に、このように書かれています。「信仰の試練は、火を通して精錬されてもなお朽ちていく金よりも尊いのであって、イエス・キリストの現れの時に称賛と光栄と栄誉に至るものであることがわかります。」

神のひとり子イエス様は、私たちの罪のために十字架につけられ、世の人から嘲られ、罵られましたが、3日目に甦り、栄光を受けられました。このイエス様を信じる人は、試練にあっても、生きる希望を持つことができるのです。そして、天国に召されたときは、あらゆる束縛、から自由になり、口は笑いで満たされ、舌は喜びで満たされるのです。





<ヨハネの黙示録 21章1〜4節>

1 また私は、新しい天と新しい地とを見た。以前の天と、以前の地は過ぎ去り、もはや海もない。

2 私はまた、聖なる都、新しいエルサレムが、夫のために飾られた花嫁のように整えられて、神のみもとを出て、天から下って来るのを見た。

3 そのとき私は、御座から出る大きな声がこう言うのを聞いた。「見よ。神の幕屋が人とともにある。神は彼らとともに住み、彼らはその民となる。また、神ご自身が彼らとともにおられて、

4 彼らの目の涙をすっかりぬぐい取ってくださる。もはや死もなく、悲しみ、叫び、苦しみもない。なぜなら、以前のものが、もはや過ぎ去ったからである。」






説教者:加藤 正伸 長老