2025年1月19日



「小さき群れよ、心配するのはやめなさい」

新約聖書:ルカによる福音書12章13〜34節



1、貪欲に気をつけなさい

群衆の1人で、兄弟と遺産相続のことで争っていた人がイエス様に調停をお願いしました。この時イエス様は、群衆に「どんな貪欲にも気をつけなさい。人のいのちは財産にあるのではないからです。」と言われました。この世には自分を幸せにしてくれる方が神様だと思っている人が多いのかもしれません。自分に都合よくしてくれる人なら誰でも良い、神様ならなお良い。


このときイエス様は群衆に、貪欲に気をつけることを、譬えを使って話されました。自分の畑が豊作だったので、金持ちは、今ある蔵を取り壊して、新しい蔵を建てようと考えた。しかし金持ちは自分のことばかり考える人だった。「たましいよ。これから先何年分もいっぱいものが貯められた。さぁ、安心して、食べて、飲んで、楽しめ。」それで神様は彼に言われた。「愚か者、お前のたましいは、今夜お前から取り去られる。お前が用意したものは一体誰のものになるのか。」

神様を信じる私たちも、「貪欲」に注意しなければなりません。いつの間にか貪欲が私たちの心の中に入ってきて、自分の欲望をかなえてくれるようにイエス様にお願いしたりする。だから私たちは自分の貪欲に気づくため十戒が必要です。


2、心配するのはやめなさい

次にイエス様は、弟子たちに、生活のことで「心配するのはやめなさい」と言われました。弟子とは、イエス様が神から遣わされた救い主であることを信じた人のことです。その弟子たちに、「何を食べようかといのちのことで心配したり、何を着ようかと体のことで心配するのはやめなさい。」と言われました。カラスや草花を譬えに用いて、食べ物や着るもの、私たちにとって必要なものは全部神様が与えてくださることを話されました。

もちろん神様を信じていれば、何もしなくていいというのではありません。カラスや鳥も精一杯生きています。私たちはそれぞれ、神に遣わされたところで、精一杯生きなければなりません。

しかし精一杯生きていても、ともすれば自分に本当に必要なことではないものを求めてしまうことがあります。心配でそうなってしまう。私たちの主は自分に必要なものをご存知であり、豊かに与えてくださることを忘れてしまうのです。心配するのをやめなければなりません。


3、御国を求めなさい

31節でイエス様は、弟子たちに、心配するのでなく「御国を求めなさい」と言われます。御国とはキリストの支配するところという意味です。罪の支配から解放され、神様の御支配のあるところ。そこには、愛があります。喜びがあります。平安、寛容、親切、善意、誠実、柔和、自制があります。

ですから私たちはキリストの支配される御国を求めていきましょう。「そうすれば、これらのものは、それに加えて与えられます。」(31節)このみことばを信じようではありませんか。


説教者:加藤 正伸 長老



<ルカの福音書 12章13〜34節>

13 群衆の中のひとりが、「先生。私と遺産を分けるように私の兄弟に話してください」と言った。

14 すると彼に言われた。「いったいだれが、わたしをあなたがたの裁判官や調停者に任命したのですか。」

15 そして人々に言われた。「どんな貪欲にも注意して、よく警戒しなさい。なぜなら、いくら豊かな人でも、その人のいのちは財産にあるのではないからです。」

16 それから人々にたとえを話された。「ある金持ちの畑が豊作であった。

17 そこで彼は、心の中でこう言いながら考えた。『どうしよう。作物をたくわえておく場所がない。』

18 そして言った。『こうしよう。あの倉を取りこわして、もっと大きいのを建て、穀物や財産はみなそこにしまっておこう。

19 そして、自分のたましいにこう言おう。「たましいよ。これから先何年分もいっぱい物がためられた。さあ、安心して、食べて、飲んで、楽しめ。」』

20 しかし神は彼に言われた。『愚か者。おまえのたましいは、今夜おまえから取り去られる。そうしたら、おまえが用意した物は、いったいだれのものになるのか。』

21 自分のためにたくわえても、神の前に富まない者はこのとおりです。」

22 それから弟子たちに言われた。「だから、わたしはあなたがたに言います。いのちのことで何を食べようかと心配したり、からだのことで何を着ようかと心配したりするのはやめなさい。

23 いのちは食べ物よりたいせつであり、からだは着物よりたいせつだからです。

24 烏のことを考えてみなさい。蒔きもせず、刈り入れもせず、納屋も倉もありません。けれども、神が彼らを養っていてくださいます。あなたがたは、鳥よりも、はるかにすぐれたものです。

25 あなたがたのうちのだれが、心配したからといって、自分のいのちを少しでも延ばすことができますか。

26 こんな小さなことさえできないで、なぜほかのことまで心配するのですか。

27 ゆりの花のことを考えてみなさい。どうして育つのか。紡ぎもせず、織りもしないのです。しかし、わたしはあなたがたに言います。栄華を窮めたソロモンでさえ、このような花の一つほどにも着飾ってはいませんでした。

28 しかし、きょうは野にあって、あすは炉に投げ込まれる草をさえ、神はこのように装ってくださるのです。ましてあなたがたには、どんなによくしてくださることでしょう。ああ、信仰の薄い人たち。

29 何を食べたらよいか、何を飲んだらよいか、と捜し求めることをやめ、気をもむことをやめなさい。

30 これらはみな、この世の異邦人たちが切に求めているものです。しかし、あなたがたの父は、それがあなたがたにも必要であることを知っておられます。

31 何はともあれ、あなたがたは、神の国を求めなさい。そうすれば、これらの物は、それに加えて与えられます。

32 小さな群れよ。恐れることはない。あなたがたの父は、喜んであなたがたに御国をお与えになるからです。

33 持ち物を売って、施しをしなさい。自分のために、古くならない財布を作り、朽ちることのない宝を天に積み上げなさい。そこには、盗人も近寄らず、しみもいためることがありません。

34 あなたがたの宝のあるところに、あなたがたの心もあるからです。