2024年9月29日



「主のおことばが語られるとき」(要約)

新約聖書:ヨハネの福音書5章1節〜18節



1、聖書箇所の説明

イエス様は、ユダヤ人の祭りのためエルサレムに上られた時、羊の門の近くにあるベテスダと呼ばれる池に行きました。そこには大勢の病人が伏せっていました。その中に38年も伏せっている病人がいました。イエス様はその彼に近づき、「良くなりたいか。」と声をかけます。

そこには、池の水が動くとき、最初にその中に入った人が癒されるという言い伝えがありました。彼はその言い伝えを信じ、真っ先に入ろうとしますが体が動きません。自分を助けてくれる友人もいません。孤独と失望を感じる毎日でした。彼がそのことをイエス様に伝えると、イエス様は、「起きなさい。床を取り上げて、歩きなさい。」と言われました。

不思議です。イエス様が語られたとき、彼の心の中に、信じたいという思いが与えられました。彼はイエス様の名前すら知りませんでしたが、心の戸を開けました。その時彼は癒されたのです。

病気を治してもらった後、彼は神殿でイエス様にお会いします。イエス様は、「さぁ、あなたは良くなった。何かもっと悪いことが、あなたに起こらないように、もう罪を犯してはいけない。」と言われます。

イエス様は彼の罪をご存知でした。その罪が何なのか書かれていませんが、罪が長い間彼の心を縛っていたのです。イエス様は、彼をその罪の束縛から解放してくださったのです。

イエス様にお会いするまでは、神様の前に死んだも同然だった彼は、今や新しい人に甦り、命の歩みを始めます。5章24節にはこうあります。「わたしのことばを聞いてわたしをお遣わしになった方を信じる者は、永遠のいのちを持っており、裁かれることなく、既に死からいのちに移っている。」


2、主のおことばが信仰を創造する

べテスダの池の病人は、イエス様のお名前も知らず、信仰深かったわけではありません。私たちも同じです。救われた時、聖書の知識があったわけでも信仰を持っていたわけでもありません。しかし神様は、宣教師や友人、聖書を通して、私たちのうちに信仰を創造してくださいました。

このことは今も同じです。聖書のことばが語られる時、神様は聞く人の心に信仰を創造してくださるのです。「たとい私たちの外なる人は衰えても、内なる人は日々新たにされています。」(Uコリント4: 6)


3、すすめ

私たちの内なる人を日々新たにしてくださるように、主に、祈り求めていきましょう。聖霊の助けを求めながら、日々みことばを読み、祈り、安息日を守りましょう。

安息日は喜びの日です。イエス様の贖いと、罪と死と悪魔の支配からの解放を思い出させ、神様の愛と恵みに預からせてくださる日だからです。神様は、あなたに、みことばと聖礼典によって祝福すると約束しておられます。単なる口約束ではありません。

礼拝に来れない方も、安息日を覚え、礼拝の時間を取り、聖書を読み、神様の愛と恵みを頂きましょう。ベテスダの池の病人は礼拝堂に行くことができませんでした。イエス様がお生まれになったとき、一番最初にイエス様の誕生の知らせを受けた羊飼いたちも、安息日に仕事をしなければならない人たちでした。主のみことばを読み、安息日を大切にしていきましょう。


説教者:加藤 正伸 長老



<ヨハネの福音書 5章5〜18節>

1 その後、ユダヤ人の祭りがあって、イエスはエルサレムに上られた。

2 さて、エルサレムには、羊の門の近くに、ヘブル語でベテスダと呼ばれる池があって、五つの回廊がついていた。

3 その中に大ぜいの病人、盲人、足のなえた者、やせ衰えた者たちが伏せっていた。

*ヨハネの福音書 5章1〜3節

5 そこに、三十八年もの間、病気にかかっている人がいた。

6 イエスは彼が伏せっているのを見、それがもう長い間のことなのを知って、彼に言われた。「よくなりたいか。」

7 病人は答えた。「主よ。私には、水がかき回されたとき、池の中に私を入れてくれる人がいません。行きかけると、もうほかの人が先に降りて行くのです。」

8 イエスは彼に言われた。「起きて、床を取り上げて歩きなさい。」

9 すると、その人はすぐに直って、床を取り上げて歩き出した。ところが、その日は安息日であった。

10 そこでユダヤ人たちは、そのいやされた人に言った。「きょうは安息日だ。床を取り上げてはいけない。」

11 しかし、その人は彼らに答えた。「私を直してくださった方が、『床を取り上げて歩け』と言われたのです。」

12 彼らは尋ねた。「『取り上げて歩け』と言った人はだれだ。」

13 しかし、いやされた人は、それがだれであるか知らなかった。人が大ぜいそこにいる間に、イエスは立ち去られたからである。

14 その後、イエスは宮の中で彼を見つけて言われた。「見なさい。あなたはよくなった。もう罪を犯してはなりません。そうでないともっと悪い事があなたの身に起こるから。」

15 その人は行って、ユダヤ人たちに、自分を直してくれた方はイエスだと告げた。

16 このためユダヤ人たちは、イエスを迫害した。イエスが安息日にこのようなことをしておられたからである。

17 イエスは彼らに答えられた。「わたしの父は今に至るまで働いておられます。ですからわたしも働いているのです。」

18 このためユダヤ人たちは、ますますイエスを殺そうとするようになった。イエスが安息日を破っておられただけでなく、ご自身を神と等しくして、神を自分の父と呼んでおられたからである。